「んな女じゃねぇ。すぐ出てくる」
何してんだ。
はやく出て来い。
泣いているんだと思いながらも、そう思えずにはいられない。
あの大きな眼から、あの、白い肌に涙が伝っているのだろう。
そう思うと銃を持っている手に力がこもる。
何もできない自分に苛立って、信じてくれていたのに、裏切った。
そんな感情が、胸の中を渦巻く。
「ヒル魔君。とうとう明日だね・・・」
帰り道。まもりは少し緊張したような顔をして言った。
目線は前で、ヒル魔を見ようとはしない。
鞄を持っている手も若干震えているように見える。
茜色の空はもう過ぎて、今は暗くなり、所々に星が見える。
そんな暗い道でも街灯があり、まもりの顔を照らす。
ヒル魔はいつものようにガムを膨らまし、破裂するまで膨らまし、破裂させ、また膨らます。
その繰り返し。
「何だ?ビビってるのか?」
ケケケといつものように笑うが、まもりは苦笑いして
「そうかも、しれないわね」
と言った。
「明日で、関東大会出場が掛かってるんだもの・・・怖い、よ。」
ヒル魔は少し考えて口をあけた。
「糞マネ。」
「・・・そんな名前じゃありません」
「俺たちが負けると思ってるのか?」
「・・・・・」
「俺たちが負けるわけがねぇだろ。」
「・・・・・・そうだね。そうだった。そうだよ。」
街灯がまた二人を照らす。
「信じてるよ。ヒル魔君・・・。」
まもりの笑顔が明るい街灯に照らされた。
はっきりと、その笑顔が見れた。
『信じてるよ。』
そう笑顔で言ったまもりの顔がヒル魔の頭の中でよみがえる。
自己嫌悪。
自分に相応しくない言葉だと思ったが、やはり笑顔がちらつく。
『マネージャー 姉崎まもり!』
やっと呼ばれた きっと、出てくるだろう。
涙なんかどこかに行ったしまった顔で。
「ヒル魔君。」
試合が終わって家に帰るとき、いつものようにヒル魔がまもりを送ることになっている。
また、試合前日のような時間帯。
街灯が点いている。星が所々出ている。
「ありがとう。」
その笑顔は街灯が点いていてはっきりと見えた。
昨日と同じ顔がそこにあった。
また明日
明日も、笑顔を。
あとがき
これ、うん。突発的に書いたもの。
あの回は絶対ヒルまもオーラが出ていた!うん!絶対!
いや、本当あの回は萌えたww
・・・・まぁ、これは、あの回を思い出して・・・突発的に・・・・(結局それか