空高く上っている太陽。
その下、グラウンドにてアメフト部が練習をしている。
「YA−HA!」
マシンガンを空に向け打つ。それを止めに入るマネージャー。
「あーあ。またやってるよヒル魔・・・」
「んー・・でも、ヒル魔さん止めるまもり姉ちゃんすごいね・・・・」
「すごいよねーまも姉」
「ああ、すごいな。」
「本当、すごいな。」
「マジですごいな。」
ったく、こいつら。何にもわかってねぇな。
あいつの顔を見てみろ。
すっげー楽しそうだろ?
『もー!ヒル魔君!打つのはやめてっていってるでしょ!?』
『ケケケ』
『笑ってないでやめてよっ!』
本当。あいつ分かりやすいよな。 栗田は気づいていないだろうけど。
長年アイツと付き合っていると分かる。細かい表情の変化とか。
だけど、あんな顔してるのは初めてだ
惚れてるんだろうな。
・・・・でも、大変だな。 姉崎は天然だからな・・・・
・・・一押ししてやるか。
数日後。ヒル魔は用事があって部活が遅れると言ってきた。
チャンスだ。 援護射撃してやらねぇと
全員そとに練習に出て行った。
姉崎も外に出ようとするが呼び止めた。
「何?武蔵君」
「ちょっと話が・・・な。」
首をかしげ椅子に座った。
だがまた立ち上がりコーヒーを入れている。
ああ、こんな事しなくてもいいんだがな。
「どうぞ、武蔵君もブラックでいいんだっけ?」
「ああ。悪い」
武蔵君「も」か。 これは、もしかしたら。
「姉崎は、ヒル魔の事どう思っている?」
「え?ヒル魔君?」
ミルクと砂糖が入ったコーヒーを飲みながら聞き返す。
「そうね・・・乱暴で、怖いし、すぐ銃を撃つけど、皆を支えてくれる大切な人じゃないかな?」
・・・それは
「・・・チームとしてじゃなくて、恋愛対象としてどうだ?」
「・・・・・・え!?」
一気に顔が赤くなった。耳まで赤い。
「恋愛・・って・・・・それって・・・・その・・・」
だんだんと声が小さくなっていく。
かわいいな、そういやあいつには全然ないな。こんな取り乱すのは
「好きか、嫌いかって事だ。」
「ええ!?」
またどんどん顔が赤くなっていく。
「そ・・そんな・・・・好きって言えば好きだけど・・・・あの・・・・それに・・私・・・」
「何だ?」
「れ・・・恋愛・・・とか、したことない、し。」
「・・・・・・」
あー。そうか。そっちか。
「分からないって事か?」
「・・・うん。」
小さく頷きながらコーヒーを飲む。
「・・・・そうだな、たとえば、胸がドキドキするとか、目をあわせてられないとか。」
少女漫画か、この説明は。
「え・・・・」
「・・・・・図星か?」
「・・・・・誰にも、言わないで・・・・ね?」
潤んだ瞳でそういわれちゃ、ま、元々黙ってるつもりだったし
「言わねぇよ。ってか、姉崎って本当・・・」
「?」 「いや、なんでも」
「何?・・・あ!練習いかなきゃ!」
「ああ、悪かったな。話をさせちまって」
「ううん。武蔵君こそ早くいかなきゃ」
「ああ。」
口の中にコーヒーの苦味を残して練習に向かった。
ヒル魔。お前、よかったな もう一人で抱え込むことは無くなった。
あとは、言葉で表しゃいいだけだ
スタートライン
やっと、ここか。
あとがき
武蔵視点もいいかなってw
何でも知っていたらいいw