「さようなら」の続きです。

 

 

 

 

おやすみと言って子供は自分の部屋へと戻っていった

この戦いがあってずいぶん子供は変わったと想う。

たくましくなったし、強くなった。

いろんな意味で

だけど、自分は違う。

まだ引きずっている

静かになった台所に時計の音が耳に入る

カチッカチッカチッ

その音が、まるで、自分を挑発しているように聞こえた

ふと見えた写真。

子供が3歳になったとき撮った写真だった

写真を手に持ち、愛しい人の笑顔を見た

ポタ・・・

涙がこぼれた。

・・・おかしいだな・・・・

あの時、泣かないって・・・決めたのに・・・・

だけど、心とは裏腹に涙は零れ落ちる

悟空さ・・・・

胸が締め付けられる

もう、見れないその笑顔。

でも、あの時、約束してくれたのを覚えている。

覚えてくれているだかな・・・?

ちょうど、この写真をとる前だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、悟空さ。」

「ん?なんだチチ」

悟飯がちょうちょを追いかけているのを見ていたときに呼ばれた

「えと・・・その・・・・悟空さは、まだ・・・・・・戦いたいのけ?」

チチは目線を合わせずにたずねる

「んー・・・そうだな~・・・戦いてぇな・・・」

青い空を見上げて呟くように言った

チチはその悟空の横顔を黙って見つめる

「・・・・悟空さ・・・」

「でも、絶対最後はここに帰ってくる。これは本当だ。」

こんどはチチの眼を見ていった。

白い歯を見せて笑う

でも、悟空さは優しいから、そういう事言うんだべ・・・・本当は、戦いたいのに・・・

チチが切なく悟空を見るが、悟空は草原を走っているのを見ている

悟空さ、いつかはまた・・・・

だったら、何かを残したい。

この時、この瞬間を

この幸せなひと時を・・・

チチは家に戻り、深く眠っていたカメラを持ち出した

何か台はないかと思い脚立を持っていく

ふと振り返るとチチはいなくなり、その遠く向こうから脚立とカメラを持っているチチがいた

「チチ?何するんだ?」

「写真を撮るんだべ」

脚立の上にカメラを置き悟飯を呼ぶ

「お母しゃん、何するの?」

「写真を撮るんだべ」

にっこりと笑い、かわいい自分の子供に言う

「しゃしん?なんで」

「ん~?撮りたくなったからだよ」

「僕も一緒に撮ってくだしゃい」

まだちゃんとしゃべれないのに、礼儀よく言う自分の子供を本当にかわいいと思う

「もちろんだっ!」

「でもよ、チチ。誰が撮るんだ?」

「大丈夫だべ、セットすれば自動的にシャッターを押すんだ」

チチはセットしながら悟空に言うが全然分かっていないようだ

「ふぅん。」

「よしっ、二人ともそこに並ぶだ」

ジ―――

セットした音が鳴り出してチチも二人のところに行く

パシャッ

 

約4年前に、そこに幸せはあった

あの時、約束してくれた。

絶対、あなたは守ってくれる

だから、私はただ、あなたが帰ってくるのを待っている。

写真を置き、涙を拭いた。

あの日あの時あの場所で

写真で笑っている、一つの家族。

 

 

あとがき

 

1番目が死ネタってどーゆーことですか?(ぇ

でも、このネタは書きたかった、チチさんが強くなるっていう。そして隠れて悟飯も強くなったっていう。

やっぱこのときは切なかった、セル戦とか、「母さんにすまねぇって言っといてくれ」とか!

悟空が母さんって言った!父親らしく!

だからよけい切ないよね・・・・