「ごめんなさい。」
校舎の裏 秋から冬へと変わる11月。
また、姉崎まもりは告白をされていた。
男子生徒は丸くなった背中をして帰っていく。
まもりは黙って見送った。
・・ごめんなさい・・・・
心の中でまた呟いた。
教室に戻り、咲蘭達が近くに来た
「ねぇ、まも、告白されたの?」
「え?なんでそのこと知って・・・・?」
「だってぇ〜〜・・・・ウフフ〜〜これなぁんだ?」
ひらひらとゆれる朝まもりの下駄箱に入ってあった手紙だった
「あ!」
まもりはポケットの中をさぐるが手紙の感触は無かった
「もぉ〜咲蘭ったら!」
「でもさ、まも、なんで彼氏作らないの?」
アコが思い出したように言う
「え・・・?」
「だって、その中に成績優秀、スポーツ万能、そしてイケメンの人もいたでしょうに!」
「え・・・・でも・・・」
「「でももへったくれもないっ!!!」」
二人一緒に叫ばれてまもりは後ずさりをした
咲蘭はため息を付いてゆっくりとしゃべる
「でもさ、まも、彼氏でも作らないとまたどんどん告白とかされちゃうよ?それとも、誰か好きな人でも?」
たしかに、そうだ。
私には好きな人がいるし、告白すればいい
でも、それはできない
断られて気まずくなりたくはなし
それに、あの人の足枷になってしまうから・・・
今日、裏庭につけていた監視カメラを見ていた
何故つけたかというと、あそこは告白現場にもってこいのところだからだ
そして部室で調べる。
最近は寒くなってきたので屋上ではなく部室でやることにした
今日もまたチェックをして脅迫手帳に書き込む
ケケケ、ゲェット
早送りをしてまた次の人が来たときに一時停止
「・・・・・・」
姉崎まもり
またか・・・・
男子生徒は顔を赤くしている
断ったのだろう、まもりは頭を下げた
「・・・チッ」
どーせあやまるんだったら行かなきゃいいだろ
男子生徒は帰っていった
まもりはずっとその男子生徒の背中を見つめていた
「・・・」
画面を凝視してまもりが帰っていくのを見る ヒル魔は画面を消し脅迫手帳を机の上に置いた
気分が悪い・・・
さっきのまもりが頭を下げ、男子生徒を見ていた場面を思い出した
「・・・糞!」
胸の辺りがもやもやする
ヒル魔は机を蹴って出て行った
放課後になり、皆は部室へと向かう
いち早く部室に着いたまもりは眉を寄せる
「・・・・机が・・・・」
ひっくり返っていた
「あれ?まもり姉ちゃんどうしたの?」
「まもりさん?」
二人は部室を覗き込み今のまもりの反応と同じ反応をする
「机が・・・・」
すると後ろからジャキンと音がした
「テメーら!さっさと練習しやがれ!」
「ひぃぃぃぃ〜〜!!!」
二人ともロッカー室に駆け込み5秒ほどで着替えて出てきた。
そしてそのままグラウンドへと走り去っていった
まもりは見送った後、後ろにいる悪魔にたずねてみた
「あの、ヒル魔君。これ・・・・」
机がひっくり返っている部室を指差す
「ああ、俺がやった」
簡単に言うヒル魔を怪訝の目でみる
「・・・どうして・・・?」
「むしゃくしゃしてただけだ」
「・・・そう?」
もしかして、ストレスでも溜まって・・・・?
いや、それは、無い・・・・ 多分・・・・。でも、ヒル魔君はキャプテンだし、いろいろあるのかも・・・
「それじゃ、ここは私がやるから、ヒル魔君は練習に行ってて」
ヒル魔は無言でグラウンドに行った まもりは見送り部室の中を見渡した
んー。机だけがひっくり返ってる・・・・
これを起こして着替えて、グラウンドに行かなきゃ。
早く、早く
「それじゃ、ここは私がやるから、ヒル魔君は練習に行ってて」
言われなくてもそうしてやる。
だが、それは言わなかった
これは自分がやったことだしな
だから何も言わずにグラウンドに行った
ちらりと部室を見てみるとまだ出てくる様子は無い
ああ、まだ着替えてなかったか
ケルベロスに追いかけられている背番号21番の背中を見ながら考える
なんで机を蹴ってしまったのだろうか
あの女はひっくり返った机を見てどう思っただろうか
今は着替えているのだろうか
早く出て来い
考えればすべて姉崎まもりの事に結びついてしまう
本人はそれには気づいておらず考えている
早く来い
その声を聞かせろよ。
早く、早く
想いのつなぎ目
とにかく会いたい
あとがき
何が書きたかったのだろうか・・・?(聞くな
とにかく、お互いを思っているのだけど、それに気づいていない二人(?)を書きたかった・・・?
しかも、お題に沿ってない・・・
これってヒル(→)←まもかな?