「うっしゃぁぁ〜!!売って売って売りまくるぞ〜!!!」
そう言って坂田銀時はわたあめを作り出した。
今は花火大会、何故こうして屋台を出しているのかと言うとそれは数日前にさかのぼった
いつものようにお登勢が家賃を取り立てに来たのがすべての始まりだった
「うらぁ!今日こそは家賃払ってもらうよ!」
そう叫びながら万事屋銀ちゃんの玄関に響いた
「うっせー!ババア!金がねぇんだよ!何回同じ事いわせんだよ!!」
「うっせー!!何回も同じ事言わせてばっかりなのはそっちだろ〜!!!」
「だぁ〜かぁ〜らぁ〜!!!金がねぇっつってんだろーが!」
「ふぅ〜ん、じゃあコレ。やってみろ」
そう言って袖から一枚のチラシを出して銀時に渡した
「夏祭り?なんじゃこりゃ」
「ああ、その下を見てみろ」
そう言って視線を下にしてみると
「売り上げが多かった屋台に金一封・・・!?」
「それやれ、そして家賃払え!」
そうして新八と銀時は屋台をしているのだった
銀時の要望によりあまいわたあめということになった
「新八、オメー客引き寄せろ」
「ええ〜!?なんで僕が!?」
「俺とお前しか居ないんだからお前しかいねーだろ」
当然のように言い放ちわたあめを作ってはつまみ食いしている
「えー・・・ハァー・・・こんな時神楽ちゃんが居てくれれば・・・・変わらないか」
そうつぶやいていったいどうしたら客が来るかと考えていた。
一方神楽はというと
「ったくよぉ、銀ちゃんは私だけで楽しんでこいって言うし・・・・姉御は屋台出してて・・・・ハァー、大人は皆私に眼もくれないヨ」
といつものチャイナ服で屋台を回っていた。
「しかも金がないアル・・・・ハァー」
「何ため息ついてんでィ」
そういった人物はお面を右側にに付け片手にかき氷、もう片方にはフランクフルト、右手には焼きそばが入った袋を持っていた。
「・・・んだよ、テメーか」
「んだよじゃねーよ、こーしてお祭りに見回ってんのに。」
「明らかに説得力が無いな、本当に」
と、くちゃくちゃと音を立てながら酢昆布を食べている
「テメーはどうして一人なんですかィ?旦那は?」
「・・・・・銀ちゃんなんてしらないネ。私を一人ぼっちにして楽しんでるヨ」
「・・・ふぅーん、だったら俺と一緒に回りませんかィ?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一瞬神楽は石化してしまった。思いもよらぬ言葉が出てきたので驚いたのだろう
「・・・・・なっ・・・なんで私がお前なんかと・・・!」
「いいじゃねぇか。どーせ暇なんだろ?」
図星。
「・・・・そんなに言うなら一緒に回ってもいいアル。」
「そりゃどーも」
そうして二人は回る事になった。
そうしているとヒュ〜と音がして大きな爆発音が辺りを響かせた
みんなの視線はその夜空のきれいな花に注がれる
「あ、そーいや。今日花火があったな・・・・」
「は?お前知らなかったのか?バッカアルなぁ〜」
「うるせェ。あ、チャイナ」
そう言って振り向いたら花火のドンという音とともに二人の影は一つになった
「好きですぜィ」
「・・・・な・・・」
すこしの沈黙が流れて神楽の口がかすかに動いた。
「・・・私もアル。」
そういい終わった瞬間。また空の大きな花が咲いた。
夏祭り
私も好きといわないのが君らしい