「うわぁ!キレーやなぁ・・・・」


「そうね」


二人は夜花火をしていた。もちろん先生に見つかったら何言われるかわかったもんじゃない
だから隠れながらやっている



バケツには数本の花火をした後が残っている



「・・・・なぁ、蛍」


「何?」


蜜柑は夜空を見上げてつぶやいた


「蛍はウチと友達やよ」

「何当たり前の事言ってんのよ」

と微笑んで蛍は花火に目を落とした



「ウチな、棗が好きなんや」

「・・・・・・・」

一瞬ぴたりと止まった

認めたくなかった事だった

蛍はいつしか離れていく事を恐れてしまっていたのだ

このアリス学園に来たときに、蜜柑がちょっとずつ離れていく



なぜかここに蜜柑が来て、見たときになぜかそう思ってしまった


「知ってたわ。」

「え!?」

そう言って蜜柑は赤くなってしまった

「な・・・なななな!!!」

「うるさいわね、はっきり言いなさいよ」

「何で!?」

「分かるわよ、友達だもの」

『友達』


その言葉は蜜柑にとって一番好きな言葉。でも

いつしか『友達』じゃなくて『恋』なんでしょうね

―私もだんだんと『恋』の方が一番になってきている―


人は変わっていくのね。


泣いて
笑って
怒って
悲しんで

そんなの私はバカげてると思っていた。愛だの恋愛だの

くだらない

あるわけが無い、人のために死ぬなんて


蜜柑と会う前はそう本気で思ってた


今隣で笑顔で笑っているこの子


私の太陽だわ

「蛍大好き!」

そんな簡単に言えるこの子に

私は憧れていたのかもしれない

人を救う人になりたかったのかも

だから日向君


蜜柑のかわりにルカ君もらうから。

「蜜柑」

「ん?何蛍?」

首をかしげてこっちを見る

「私ね」

「うん」

 

 

「ルカ君が好きなの」

私、転んでもタダじゃ起きないのよ?

大好きです

代償は高いんだからそれくらいは当然よね