ずっと、自分が近い存在だと思っていた。それに満足していた。だって、いつも彼女は俺を見ていたし、彼女も、俺を見ていた。それで良い、何て思っていた俺は大馬鹿者だ。自惚れていたんだ。安心していたんだ。
でも、気が付いたときにはもう遅く、彼女は他の男の物になっていた。
あの白い肌も、あの蒼い眼も、あの細い腕も、足も、全部。他の男に取られてしまった。
俺のすべてを取られてしまった。また、アイツに。アイツはまた奪って行った。姉上も、近藤さんも、彼女さえ、また、奪って行った。
「土方・・・」
ギリッ、と歯が軋む音が暗い闇夜に響く。周りには誰も居ない、ただ、アイツを頭の中で殺しているだけ。憎い、憎い。殺してやりたい。でも、そんなことしたら彼女はもう二度と笑ってはくれないだろう。
だから、俺はまた何も出来ないまま、夜を明かす。
空回り
憎い、でも好きだから
あとがき
土神←沖。なんとなく書きたくなってしまったww
沖田がすげぇかわいそうになってしまった・・・w(ぉぃ