骸の事件から少し経った後、並盛中に変な噂が流れた。その噂は獄寺君も山本も、もちろん俺も驚いた。だって、その噂の内容が
『あの雲雀恭弥に彼女が出来た。』
だもんな・・・
「ありえねぇッスよ」
「だよな。ないない」
「うん。絶対無い。」
どこからそんな自信が湧き上がってくるのかは知らないけど、とにかく断言できる。あの人にそんな事無い無い。ただでさえ群れるのが嫌いなあの人に、まさか、女の子?強い人ならとにかく。一般人の女の子?聞いたときに自分の耳を疑った。
「てか、誰だよ。そんな噂流した奴はっ!!」
「俺だぞ」
「リボーン!!」
「リボーン、さん・・・」
「よっ、小僧」
「ちゃおッス」
ぴっと片手を挙げた仕草は赤ん坊には見えないほど大人びている。
「てか、そんな噂なんで流したんだよ!」
「おもしろいからだぞ。それに、それは本当なんだ」
「嘘つけ!あの雲雀さんだぞ!?トンファーで滅多打ちなんだよ!!近づく奴なんて噛み殺されるのに・・・彼女って・・・!!」
「そうか、なら、あそこ見て見ろ」
「は・・・・?って、え、ええええええええええ!?」
ツナの叫び声と同時に二人も屋上を見上げる。ちょうどここからだと屋上が少し見える。貯水ポンプの上には噂の雲雀恭弥と
「は・・・ハル!?」
三人は口を開けて放心状態になっているのを、リボーンは面白そうに見る。口の端を上げて満足そうに。
「リボーン、さん・・・な、ななな何ですか!あれは!!!」
「あー。ありゃ抱き合ってるな。」
「・・・本当だったのな・・・」
「しかもハルって・・・!!一体何で・・・」
そうしていると視線に気がついた雲雀がこちらを見てきた。それに三人は固まった。殺される。そう直感的に思った。だが、予想ははずれ、何故か笑っている。その笑顔に驚いた三人はさらに衝撃を受けた。
「んなっ・・・!!」
「っ・・・・」
「ええええ!?」
雲雀がハルの顎を持ち上げキスをした。眼を真ん丸くしながら見ていた三人にまたくくくっと笑っているリボーン。そして、三人は顔を赤くさせてしばらく廊下に立ち尽くしていた。
アヤシイ噂
まさか、でも、いや、そんな・・・
あとがき
うん。なんとなく・・・うん・・・(ぇ