いつもの公園に行った。
ベンチでいつものようにチャイナ娘がいると思った。
いた。
だが、いつもと違う。
背を向けていた
「・・・・おい。」
「・・・・・・」
呼ぶが一向にこっちを向こうとはしない
「チャイナ」
「・・・・・・」
「チャイナ娘」
「・・・・・・」
「酢昆布」
「・・・・・・」
「神楽」
「・・・・・・」
奥の手の「神楽」も通用しない。
これは、重症だ
「おい、何だ?何かあったのか?」
「・・・・・・」
回り込むと顔を180度そむける
すこしいらっとしながらまた回り込む
そしたらまたそむける 。
それを何回も続ける。
いい加減に堪忍袋の尾が切れた。
「おい!テメー何なんだよ!はっきり言え!」
「・・・私が、何も知らないと思ったら大間違いネ。」
ジロリとやっとこっちを見た
「は?」
「聞いたのヨ!『俺をトシと呼んでいいのは近藤さんだけだ』って!」
「・・・・・」
ああ、だからか。 つか、何で知ってんだ
「もう、知らないアル!」
傘を持ってどこかに走っていった
ああ、こりゃ面倒なことになるぞ・・・
そう思いながら神楽が行った方向を見て走り出す
走る方向は一つ。
屯所。
「はぁ・・・はぁ・・・」
ここなら来ないヨ。誰も喧嘩した相手の住んでいる場所なんかに行かないネ
裏のところで腰を下ろし、ため息をついた
『俺をトシと呼んでいいのは近藤さんだけだ』
・・・なんだヨ。
無意識に眉がよる。
それじゃ、私は駄目だって言うアルカ?トシって呼んじゃいけないアルカ?
嫉妬。
しかもあのゴリラに。
他の人から見れば笑うかもしれない。
でも、本人にとっては重要なことだったりもする。
何さ・・・・ト・・・・大串君のバカッ
眼の奥が熱くなってくる。 頬に涙が伝う
「・・・大串君の、バカ。」
「誰がバカだ」
ハッとして上を見上げたら黒い服を着た男が息を切らして見下ろしている
パッと下を向きぎゅっと膝を抱え込む
「・・・何、ヨ。」
「何じゃねーだろ。勝手に逃げやがって」
「・・・そっちこそ、怒った、アル。驚いた。ヨ」
途切れ度切れで言う言葉、涙でそうなってしまう。
一言一言ちゃんとしゃべるようにしているが完全に分かってしまう
ハァーとため息をつきしゃがみこむ
「お前、そんなにいやだったか。あの台詞」
小さく頷いた
「・・・・・」
「あれは台本を読んだだけだ」
「でも、やだったヨ」
・・・・・・ハァー
本日何回目か知らないため息を吐き
「トシって呼ばれて嬉しいのはお前だけだよ」
バッと上を向いたら顔を手で覆っている。
耳が赤いのが見えた
神楽は笑った。
「・・・何笑ってんだ」
「トシは純情アル。信じられないほど。」
「煩ぇ」
そして二人は静かにキスをした。
何があっても
トシって呼ぶよ。
あとがき
これ、あの。「ありえないボイス」のとこに、土方さんが、『俺をトシと呼んでいいのは近藤さんだけだ』って言ったんで。
そこで神楽ちゃんの顔が浮かんだの。
だから、これ書いたwwww(ぇ
嫉妬する神楽ちゃんをwそしてそれに振り回される(?)土方さんを書いたw
いや〜wおもしろかったw(おい