血にまみれた男が言った。
『君の血がほしい。』
冷たい視線で男を見つめている女が言った。
『あげないわよ。こんな高価なもの。他に無いもの』
そこにずっといたせいで血の水たまりができた
『そうか、なら。どうしたらくれる?』
『そうね・・・あなたの命と引き換えに。』
そういった瞬間。男は笑った
『なら喜んで差し出しましょう』
血に濡れたナイフを自分の首にかざした。
そのまま自分の首を切ったのだった。
ドスンと首が転げ落ち、胴体は倒れていった。
連続殺人鬼の最後だった。
外は雨が降っている。
豪雨だ。雷も鳴っている
その景色をキセルを片手に持って薄笑いをしながら見ている
「・・・・何がおもしろいアル?」
「理由なんてねぇよ」
「それなのに見てるアルか?」
「ああ。」
雷がどこかで落ちた音がした。
それを聞くとまた笑った。
「楽しいカ?」
「ああ。これで世界が壊れりゃいいのにな」
「壊れたらお前も死ぬヨ?」
「いいさ。それでも」
「私も死ぬのヨ?」
「一緒ならいいだろ」
「お前と一緒に居たいだなんて言ってないネ」
「分かるさ」
微笑しながらこっちを見た。
逆行で顔がはっきりとは分からないが雷でよく見える
「自意識過剰な男は嫌いヨ」
「嘘つけ。」
「嘘なんてついてないヨ」
「だったら一緒に寝てなんかないだろ」
「・・・・」
何も言えずに視線をずらす
それを満足に眺めていた高杉はまた窓のそとを見る
「・・・・・昔。ヤグザのところにいたとき聞いた話アル」
高杉は何も言わない。聞かないといわないのは肯定。
そして神楽は話を続ける。
「ずっと前、殺人鬼がいたのヨ。ただ殺人を好む男だった」
一ヶ月で43人も殺したネ。これすごい刑になってしまうのヨ。きっと死刑ネ
だけど、その男はつかまる前に死んだ。自殺だったアル
でも、殺人を好む男がなんで自分から死んだか気にならないカ?
私はごっさ気になったネ。
その男には女がいた。いや、片思いだった女がいたのネ。
その男、その女をヤバイ位好きだったのヨ。人を43人も殺せるほど
その女が言ったのよ『私を好きなら、私のすべてがほしいなら血を見せて。』って。
だから、その男は殺した。43人も。
そして43人を殺した時に女に言ったのヨ『君の血がほしい』と。
その男は最初は殺人を怖がっていたネ。でも、やっているうちにその興奮を覚えてしまったのヨ
そして、今度は愛しい女の血が見たくなったのヨ
それを聞いた女は微笑して言った『あげないわよ。こんな高価なもの。他に無いもの』 って。
そしたら男は『そうか、なら。どうしたらくれる?』 そういった男に女は『そうね・・・あなたの命と引き換えに。』って
『なら喜んで差し出しましょう』 その男はためらいも無く自分の首を切った。
首が地面に落ち。男は死んだ。
女はその男の首を持ち。川に行ったネ その首を投げ捨てた。
そのときの天気は雨だったのヨ。女の体に付いた血は流れ落ち。髪が顔に張り付いた。
だからその女の横を通り過ぎる人は気づかなかったのヨ。
その女の微笑を。
その後。その女は警察に捕まったネ。
その関係者の事について警察に話すだけだった。
その女は泣きながら言ったらしいヨ。
『あの人がそんな事するなんて・・・きっと自殺したのは罪を償おうとしたんでしょう・・・・』って。
私は思うのヨ。確かに男は人を殺した。それはいけないことネ。
でも、本当の殺人鬼は死んでない、捕まっていないのヨ。
殺人鬼はその女で、44人も人を殺したのヨ。
でも、思うのヨ。
男は幸せだったのだろうか、その女のために血を、自分の命をその女に捧げたのヨ?
でも、最後は喜んで死んでいった。微笑みながら
「これで私の話はお終い。『本当の殺人鬼』ってお話ネ。これ、実話らしいヨ?」
「・・・俺ァ。その男の気持ち分かるかもな」
「ふぅん。」
「お前のためだったら、血でも命でもなんでもやる。」
「いらないネ。」
「お前が望むものをすべてやる」
「・・・・じゃあ、こっちに来てヨ」
すこし上目遣いで言う神楽
「じゃじゃ馬姫様の仰せのとおりに。」
ゆっくりと神楽の元に近づき座る。
そして抱きしめた。
「・・・抱きしめろとは言って無いネ」
「サービスだ」
「・・・こんな高級サービスは始めてアル」
「そりゃよかった」
「うん。」
01.手を伸ばして
神楽は幸せそうに目を瞑った。
あとがき
初高神だw
いや、この話の『本当の殺人鬼』って、愛夢が作った話なんですがね・・・
だからこんな駄文なんですよ。