イタリア出発の日。

ずっと、こなければいいと思っていたのに、時間は残酷にもすぐに流れていった。

「ハル。それじゃあ」

「・・・・」

「・・・ハル」

「・・・やっぱり、行かないでなんて言っても、無理なんですよね。」

「・・・・」

「・・・分かってますよっ!そんなこと言ったって・・・こんなこと言って、わがままな女だって分かってますから・・・」

涙が、勝手に

「・・・・でも、私・・・」

「そう。行ってほしくないんだ。」

「へ?」

「じゃあ一緒に行こうか。」

「・・・・ええ!?」

「大丈夫。草壁に君の荷物を送っといてって言ってあったから。」

「えええ!?ちょっとっ!どういうことですか!?」

「君も一緒にイタリアに行くんだよ。」

「へ!?」

「ほら、チケット。」

差し出されたチケットを受け取るしか選択肢はなかった。

「・・・・・」

「何ぼさっとしてんの。早く乗るよ。」

「・・・・え。あ。・・・はいっ・・・」

見送りに来たのに。この日が来なければいいと泣いた自分が恥ずかしくなってきた

「・・・・あの、雲雀さん。最初からこういうつもりだったんですか?」

「当たり前。」

「そ・・・そんな・・・」

なんて自由人なんでしょうか。この人は。

 

元気でね

妥協しなきゃこの人と一緒にいれない

 

あとがき

自分勝手が雲雀さんだと思うw