ハルが、ふるふると睫毛を震わせた。

その切ない揺れ動く瞳の奥と、俺の肩に添えられた手がとてつもなく弱かった。

馬乗りになって、それからどうしたらいいの？という視線。

その様子がとてつもなく俺の身体に熱が入る。

あまりにも、愛しい。

 

「・・・やっぱり、やだ・・・」

 

悲願するように俺の左手に指を絡めて呟く。

戸惑いの色を隠せないハルは、俺の許しを待っている。

それを分かっているが、俺はあえて、というか本能を揺さぶってくれるこの三浦ハルを離そうとは思わない。

 

「大丈夫だぁ・・・」

「何が・・・ですかぁ・・・」

 

じわり、と涙を浮かべて、自分はもう羞恥に耐えられないとばかりにすすり泣く。

ぐずぐずと鼻を詰らせて俯いた。

表情が緩んでいく。

優しく唇を押し付ける。こういう行為はとても恥ずかしくて出来たもんじゃないが、今は何とかできるようになった。

初々しい恋愛なんて出来るか。と思っていたんだが。

 

「頑張れぇ・・・」

「・・・・・・」

 

人事のような言葉なのだが、ハルには響いたようだ。

ハルが俺を見つめる。

愛しているなら、出来る。

そういう意思を込めて送った視線が分かったのか、ハルは決意したように眉を吊り上げてこくん、と頷いた。

 

「・・・わかり、まし、た・・・」

 

まだ戸惑いがある声色で、今度はハルから顔を寄せてきた。

絡んだ指の力が入った。

 

 

 

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