それは官能的に動いていく。

ざわめいているその姿はまるで木の葉が風に弄ばれているようだ。

暗闇の中に光る獣と同じその鋭い眼に射抜かれて、三浦ハルはどうしようもなかった。

プライドが高く、孤高の浮雲とまで称されるあの雲雀恭弥が、

三浦ハルの脚を、舐めているなんて・・・。

 

 

 

「はう・・・」

ぴくっ、と動くのは快楽と似たくすぐったさからだった。

三浦ハルは、一般的な人間に該当される。だから一般的じゃない人間の雲雀恭弥の生き方に少々疑問を持ったりするときもある。

でも、それは価値観が違うから。あの人のしている事は正しいのだろうと思える箇所があったから、何も糾弾することも無かったのだが。

コレは、正しいのだろうか?

「んっ・・・」

ふくらはぎを舐められて、指を噛んで声を我慢する。

裸にしていろんな所を触ったり、舐めたり、探ったりするのも、たしかに背徳的なのだけれど。

どうでしょうか。これは、それよりも尚背徳的だと思えてならないんです。

裸じゃない。服を着ています。でも、スカートのままで脚を舐められたら・・・その・・・下着が見えちゃうという事もあって・・・脱がしても恥ずかしいですけど、こっちもこっちで恥ずかしいんです。

ベッドに腰かけて、雲雀恭弥はその下に跪いて、舐めている。

主従関係なんてこれっぽっちも無いです。でも、これを見られたらハルが悪い女になっちゃうような気がしてなりません。

ハルは、いっつもいっつも、やめて、と言っているんです。恥ずかしいです。

でも、雲雀さんはいつもニヤニヤ笑って、だったらやめないって言うんです。だったらって何ですか!苛めですか!

脚を舐める際に太股に添えられた手が時々内側にするっと入り込んでくるときとかあったりすると、苛められていると感じるんです。

下から覗くあの愉しそうな眼。

やだ、やだやだっ!

「やめて・・・雲雀さん・・・・」

涙が滲んできて、暗闇が霞む。

「ヤだよ。」

ぺろり、つつー・・・

「あっ―――」

するり、

「でも、君がしたいなら、するよ?」

服の下に滑り込んできた手に涙が出てきた。

歓喜なのか、それとも違うものなのか。

「でも、脚は舐めるからね。」

鼓膜に響いた。

 

 

女王様と下僕その4