キスしたら蛮行の行為のように頬を叩かれた。

抱きしめたら顔を赤くして胸に顔を埋めていた。

腰を触ったら痴漢!といわれて頬を叩かれた。

手を繋いだらしおらしくなって幸せそうに頬を染めていた。

胸を触ったらふるふると震えて泣き出した。

頬を撫でたら恥ずかしそうに笑顔を見せた。

 

なんだか、全部うまく丸め込まれているように感じる。

飴と鞭なのだろうか。うまいんだ。彼女は。

僕を丸め込ませるのがあまりにも巧みに使いこなす。

今だってそうだ。

 

「あ・・・・」

胸に顔を埋めると、むわっと香る女の匂い。

熟した果実がはじけたような匂い。

くらくらと頭が眩暈に襲われる中で、それでも彼女は知らないまま。

生殺しはきつい。

結婚するまで処女を持ち続けるといわれて、ぐっと堪えて我慢している。

それは当然の事のようにも思える。

貞操観念が強い事はいい事だ。そうやって警戒心を強めればいい。

他の男なんて寄せ付けないで、ずっと僕だけを見ていればいい。

だけど、そう心で思っていても、触りたいと思うのは当然の事。

だから、最後までじゃなくていい、と説得して此処までやっているのだが。

毎回思うに、自分は自殺願望があるんじゃないかと思う。胸に顔を埋めて、舐めて、触っているとそう思う。

馬鹿じゃないのか。

こんな生殺しを僕は毎回している。

「ひゃ、んっ・・・」

何年もこうして我慢しているが、もうそろそろ駄目だと思う。

毎日毎日、彼女の身体に触っていると成長したのがよく分かる。子供の頃の幼い体つき。まだ男を知らないであろう白い肌。

初めて着けられた赤い痕なんて見て吃驚していたくらい。

真っ白だった。今でも真っ白。

胸だって小ぶりで、小さかったのに、今ではこんな・・・

「あうっ」

ぴくんっと腰が動いて反応する。

感度を此処まで上げたのも、長かった。

指を入れてならして、初めてが痛くないようにという気遣いの為。と自分の中でそう言っては大切な事なんだと。欲求不満に絶えかねて牙を向きそうな獣を押さえ込む。

良く我慢している。

「っ、あ・・・」

くちゅ、

「あぅっ!」

指を滑り込ませて、胸にまだ唇の愛撫をやめない。

ふるふると震えて、眼から涙が綻ぶ。

「あ、あぁ・・・」

快感に頬を染めて泣く姿。ああ、そそる。

それでも手が出せない。出来ない。

だったらせめて

 

「あっ、やだそこ・・・あ・・・あ、あっ!やだぁ!んっ、やっ・・・ああああっ!」

 

気持ちいい顔、して

 

 

女王様と下僕その2