裏です。OKな方はどうぞ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 首に唇が触れた。ただそれだけだというのに、どうしてこんなに恐怖するのか。動物としての本能が、警告をしているからなのだろうか。

色欲なんてさっぱりな生活を送ってきたからなのだろうか。

もし、この男が首を噛みちぎってしまえば、私はすぐに死ぬのだろう。この湯船の湯が赤く染まり、この男は、どうするのだろう。

私が声を出した事に少なからず反応していた。

声帯を潰して、そして、どうなるのだろうか。

情事の際の首筋へのキスは相手への信頼の証なのだと、私は漠然と感じた。

 

 

 

肌と肌が触れ合って、恐怖なのか歓喜なのか分からない感情に恐れわれた。

首に歯を軽く立てられた時には一体どうなるかと思ったが、動物がじゃれつくような甘噛みだったのでほっとした。

腰にまわっていた腕が背骨を撫で上げるように這ってきて、プリマヴェーラは身震いをした。

思わず逃げ出したくなって、這っている方の腕に手を置いて離そうと力を込めた。

「ふぁっ、」

「逃げることは許さない。」

浴槽の中での拘束した力が、先ほどの抵抗で強まってしまった。膝立ちになって男の肩に、今度は明確な拒否ではないがとりあえず両手を置いておく。

いざとなれば押して拒否すればいいと考えて、とりあえずは気のすむまで、待ってみようと決心する。

今まで女として扱ってこられなかったのだから、これもただじゃれついている犬や猫と同じものだと、眼をぎゅっと閉じて終わりを待つ。

鎖骨に唇を押し付けて吸っていた男が、喉の奥で笑う振動が響いた。

「それは誘っているのか?」

わけの分からない言葉を零して、男の唇はどんどん下に滑るように落ちて行った。

プリマヴェーラは男に抱かれた事がない。そのような行為に興味が無いと言えば嘘になるが、多感な年頃の娘にしては性についてはとても淡白だった。

他に興味が向いていたわけでもないのだが、そういう行為に無意識に軽蔑が入っていたのだろう。

男の前で裸になるのは何度もあって、もう慣れたはずなのに、唇が乳房に触れた瞬間に羞恥心が業火の炎となってプリマヴェーラの頬を染めた。

「や・・・」

ぐっ、と肩に置いた手に力を込めるのだが、男と女の差、そして思ったよりも力が入らなかった為に男を引きはがす事は出来なかった。

抱きつくように両手を回して乳房にしゃぶりつく姿はまるで赤子のよう。だが、回した片手はプリマヴェーラの桃尻を撫でまわしている。

「っ、ぁ」

先ほどまで流れていた涙がまた溢れだし頬を濡らす。

腰の奥がじんじんと熱を帯び始め、言いようのない感覚がプリマヴェーラを混乱させる。

撫でまわしていた手が、そっと内股を割り秘部へ触れた。

ぴくんっ、と腰が反応し、プリマヴェーラが思わず男の頭に抱きついた。

「ひ、あ・・・あっ、」

自ら男を胸へ押し当てる形になったのだが、プリマヴェーラは何かに掴まっていないと膝立ちもできなくなってしまいそうだった。

男が顔をずらして、プリマヴェーラの左の乳房の下側に唇を押し当て、舌で一舐めした。

まるで心臓を抜き取ってやると宣言するように。

「ふ、」

男の小さな笑い声が聞こえた、が、煩い心臓にはその小さな音は届かなかった。

「ここでは、やりにくいな。」

独り言を乳房に唇を押し当てながら言うのだから性質が悪い。

プリマヴェーラの膝に腕を入れてそのまま立ちあがった。お互いの身体に引っかかった湯が重力に任せて落ちていく。びしょびしょのまま寝室へ戻ろうとしている男に、プリマヴェーラはやっと解放されるのかと思ったのだが、ふと横抱きにされたまま男の眼をみると今まで見た事のないようなギラギラとした眼をしていた。

ただそう感じたのは超直感のおかげなのか、それとも女の本能的な恐怖故なのかは分からない。

ベッドに下ろされ、シーツにどんどん染みが広がっていく。髪から落ちる水滴の量は尋常ではない。

冬の凍てつく寒さが緩和されている。暖炉の薪が爆ぜる音が聞こえた。

「鳴け、プリマヴェーラ・・・」

二文字の命令は怒気が孕んだように凛と響いた。だが、プリマヴェーラの名を呼んだ瞬間に睦言のような甘い囁きに変わる。

プリマヴェーラは、もうとっくに泣いているのに。と目尻から湯ではない熱いものを静かに流しながら男の愛撫を受け入れる。

「・・・あ、の・・・」

喘ぎではない声に男は一旦止まった。

「何だ。」

「・・・あの、・・・これって・・・あの・・・」

「はっきり言え。」

男は少し苛々しているようで、プリマヴェーラは恥じらいを最大限に引き出し、はっきりと男に問うた。

「・・・えっと、最後・・・まで、しちゃうんですか・・・?」

顔が熱くなるのが分かる。なんて事を聞いたのだろうか、男が一笑して、そんなわけないだろう。と馬鹿にしながら言うのを予想、そして期待しながら男を見上げる。

黒髪から男の頬へ伝い、顎から落ちた水滴がプリマヴェーラの鎖骨に落ちた。

「・・・・・・・。」

「・・・・・?」

急かした男は黙り込んだままプリマヴェーラを見下ろし続けた。まるで氷漬けになったかのように固まったまま動かない男に不思議に思い、そっと手を伸ばして眼の前で振ってみた。

プリマヴェーラの手首を掴んでそのままベッドへ押しつけるように拘束した。

「・・・もしかして、貴様は分かっていなかったのか?」

「・・・?」

「ふ・・・」

また男が小さく笑ったが、今度は自嘲を含んだ、ため息のような笑い声だった。

そして愛でるようにプリマヴェーラのあどけない表情を見つめ、そっと頬を撫でる。

暫く頬に触れたまま、先ほどの男女の生々しい行為の匂いなどどこにもなく、別世界に放たれたようにゆったりと時間は流れていく。

男が眼を細めた瞬間、またあのギラギラとした色が見えるのではないかと、プリマヴェーラは身構えたが、そのまま男は頭を落としていき、唇を静かに重ねた。

プリマヴェーラが何度も瞬きをする。

最悪でも先ほどの行為は男は性欲処理の為に自分を使おうとしていたのだと感じていた。それなのにこんな優しいキスをしてくるとは思いもしなかった。事務的な愛憮ならまだしも、こんな、

「んっ」

歯を舌でなぞられた。口内に遠慮なく入り込んできた舌の感触に、先ほどの身体への愛憮とは違う違和感が襲った。

たかが口の中を荒らされているだけだというのに、腰がぴくん、と反応してしまった。

その反応を見た男が片手を乳房、お腹、臍を滑り落ち、また秘部へ指が触れた。

「ひっ・・・!」

「今まで欲情してないと思ったのか。」

自分でも分かるほど熱く濡れているソコに男の指が触れた。

耳に唇を寄せて、足を開け。と言われた。此処で拒絶したら殺されるのだろうか。

乱暴にレイプされるよりかはマシだと自分を諫めて、羞恥心を精いっぱいの抑止力で抑え込み、足を広げる。

だがその隙間は男の片足すらも入らないくらいの隙間だったが、プリマヴェーラのしてみれば思い切り足を広げた状態だ。

男は何か言いたげだったが、プリマヴェーラの太股を掴んでそのまま足を広げた。

「いや・・・!」

思わず顔を背けて眼を閉じた。眼を閉じても逸らしても、今まで誰にも見せた事のない場所に視線が集中しているのは分かっている。

こわばった肩に力が入る。開かされた足は震えてしまう。

怖くて恥ずかしい。それなのに花弁からは蜜が更に滴り落ちていく感覚がして更に身体がこわばる。

唇も噛みしめて耐えていると、何かごくり、と飲みこむ音がした。

何かと思い、プリマヴェーラは顔を背けたまま薄らと瞼を開けたその瞬間、

「っ、ああぁっ!?」

秘部に熱いねっとりとした感触が襲ってきた。

予想していない快感に思わず声が出てしまい、口を両手で押さえる。それでも出てきそうになってくる声は唇を噛みしめて飲みこむ。

「言っただろう、鳴けと。」

秘部に囁きかけるように言葉がプリマヴェーラの鼓膜に響く。どろり、とまたあふれ出る蜜を男はまた舐め取る。

身体が痺れるような焼けるような、とけるような感覚が体中をめぐる。血液がまるで痺れたかのように、全身が震え、声帯もずっと震えている。

「あ、あっ」

じゅるじゅるとプリマヴェーラの鼓膜に届く卑猥な音。恥ずかしい。

セックスという生々しい行為は本当に生々しいのだと感じた。頭の回転も悪くなっている事も感じた。

馬鹿みたいに下半身に意識を集中させてしまう。

好きでも無い男に足を開いてしまうしたたかさ。

「ひっ!」

指が一本、中に入ってきたと思ったら、入口の上にある小さな蕾を男は舌で転がすように舐めた。

異物感と快感が同時に襲ってきた。最終的には異物感よりも快感の方が勝ってしまった。

「あ、あ、いや・・・それっ」

「狭いな、」

男はどうやら違う方を気にしているようだったが、プリマヴェーラは異物感をあまり感じないようにと男とは違う方へ更に意識を集中させた。

中をぐり、と指が回転しながら中を擦る。ゆっくりとぐにぐにと中の柔壁を擦る指に次第に異物感とは違うものを感じ始めた。

「ふ、・・・んぅ・・・」

男はいつの間にか愛憮を指だけにしているようで、プリマヴェーラもそちらへ意識を無理矢理向けさせられるようになってしまった。

「う、」

もう一本指が入ってきた、今度は僅かな痛みがプリマヴェーラを快感から引っ張り出そうとする。

「痛いか。」

感情が籠っているのかいないのか、今のプリマヴェーラには判断できなかったが、とりあえず質問に肯定の意思を見せた。

プリマヴェーラにそう尋ねたのに、男はやめるという選択肢はないようで、ならば善処する。というモノだけらしく更に指を増やして三本プリマヴェーラの中に指が入った。

ぎち、と膜が張りつめる感覚がぴりぴりとプリマヴェーラを痛めつける。

「んぅっ・・・」

眉根を寄せて異物感と痛みに耐えるプリマヴェーラの顔色を窺いながら、男は指を小さく動かしていく。熱く柔らかい膜が指を覆っている。早く貫いてしまいたいと思いつつも涙を流し続けているプリマヴェーラを見ては思いとどまる。

そんな男の顔を見て、プリマヴェーラは何かに憂いているのだと感じた。

ギラギラと獰猛な野獣のような眼をしているというのに、奥底に沈殿した黒い砂のようなものが見える。

それがどんな感情をしているのか分からないけれど、性欲だけではなく、心も満たされたいと思っているのではないか、と窺えた。

プリマヴェーラの、ボンゴレの超直感が人一倍敏感に人の心を覗く力が働き分かった事、

「ぅぁ・・・」

色々と思案していたせいか、身体に力が入らずに男がゆっくりと中をほぐしやすかったようで、指がすべて引き抜かれた。

ほっ、と息を気付かれないように吐き、このまま眠ってしまいたい気分になりかけてしまった。身体はまだ熱さが残っているが、重くなってきた瞼に逆らわずに小さく閉じた。

 

「―――――――っ!!?」

 

まどろむ意識の中で、ぐに、と秘部に固く熱いものが押し付けられたと思ったら、油断して身体から力が抜けていたプリマヴェーラの中に半分ほどソレが入った。

眠いどころの話では無くなった。先ほどの指とは違い中をぎゅうぎゅうと押し広げる。

やせ細ってへこんだ下腹部がまるで妊娠したかのように膨らんだような錯覚がするほどに。

「いや・・・いや、やめて・・・!!抜いてください!」

恐怖と拒絶の意思を明瞭に表情にも行動にも表わしてそう叫んだ。

男の肩を押すが、やっと入れた中から何故抜かなければならないと言わんばかりにプリマヴェーラの懇願を無視した。

「あ、いや・・・痛いっ」

ふるふると身体を震わせる。ただでさえあまり食べていないプリマヴェーラはあまり力が入らず、男の腕を掴んでもすぐに握力が無くなってしまう。

ぐっ、と更に押し込む。ぎちぎちと悲鳴をあげているのは男にも十分理解していた。だがそれでも止まる事は出来ない。

「うっ、あ、ぐっ・・・!」

ゆっくりと前進してきた動きが止まり、全部入ったのかととりあえず力を抜いた。大きく息を吐きだすと、男も僅かに息を荒くしていた。

シーツをひっかいていた手を掴み男は自分の首に引っ張り上げる。

「掴まってろ。」

「っ・・・・」

こくん、と頷いてプリマヴェーラは言われた通りに首に腕を回して捕まる、というよりも抱きついた。

自らの腕を見て、此処に連れて来られてからずいぶんと細くなってしまっているなと改めて気がついた。ダイエットしたいとは思っていたが、こんなにも骨ばかりにはなりたくなかった。

この初体験でもしかして死んでしまうかもしれない。

そんな事を考えていると男は腰を引いて挿入する。内臓に傷がついたような痛みにプリマヴェーラが下唇を噛みしめてただ耐える。

悲鳴をとにかく押し殺すのは、男にそんな姿を見られるのが屈辱だと思うからだ。

「っ、っ・・・!!」

ギラギラとしている。

赤い眼は肉食獣のように剣呑だ。

この眼。

ああ、お兄ちゃん。

お兄ちゃんを、おに・・・

いきなり止まった腰の動きに心の奥底に逃げ込みかけた意識を元に戻す。

男は頭を肩に押し付けて荒げた息を整えている。もしかしてもうイってしまい、中に出されたのかと思ったが、やはり中には熱いドクドクと心臓のように振動しているソレがそのまま中に入ったまま。

熱い息を肩にかかる。ぞくっ、と背筋に悪寒が迸る。

「・・・プリマヴェーラ・・・」

艶っぽい低く掠れた声で中を思わず膜を締めてしまい、男が喘ぐように息を詰まらせた。

肩から顔を上げた男は唇に噛みつくようにキスをした。

元より男性と付き合ったことのないプリマヴェーラは、キスすらした事がない。どうすればいいのか分からずただ唇を押し付けるだけのキスになっている。

いつも口うつしで食事をとっているのだが、こういった男女の間柄でのキスはした事はない。

先ほど舌で口内を荒らされた事に少し戸惑っているのだと男は感じていた。

丹念にこちらも解すように優しく唇を押し付ける。

僅かに見える優しさに思わず、プリマヴェーラは眼を細めた。

「痛いか。」

「・・・ちょっとだけ・・・」

先ほどまでは激痛だったが、唇が腫れるほどにキスをし続けたおかげで何とか痛みは和らいでいた。

強請るように腰をぐりぐりと押し付けて更に奥へ押し込む。足を肩にかけて、本当に蹂躙という言葉を当てはまるように男はプリマヴェーラにぐいぐいとせまる。

「う、あ」

奥にぐり、と当たると腰が跳ねるように反応した。

喉が震える。まるで枯渇しているかのように。

「あ、あ、・・・」

そういえば喉が渇いた。喉が痛い、寒い。

律動に身体を揺すらされながらそんな事を考えた。喉が震えて声が出る。泣き声じゃなくて喘ぎ声。

お兄ちゃんが聞いたら、どう思うでしょうか、もし、お兄ちゃんがこの人にこんな事されてるなんて知ったらどう思うでしょうか。

「ひぁ、お、に・・・!」

急に寂しさと罪悪感が胸中を襲い、精神が不安定になった。

下からはぐちゃぬちゃと厭らしい音を出しつつも、天井を見上げて忘れてしまいそうになる兄の顔を映し出す。

だがそれすらも許さないという様に、男がまた顔を近づけて今度は下唇に噛みついてきた。

肌と肌が重なり合って、罪悪感の源の男の温度を心地いいと感じてしまい、更には気持ち良すぎて頭のリミッターが外れてしまいそうになっている自分自身が嫌になる。枯れたはずの涙が風呂に入った時からとどまる事を知らない。

「あ、んぅ、ふっ」

「っ、・・・ぐ・・・」

きゅうっ、と中を締めつけると男が喉に引っかかるような声を漏らし、プリマヴェーラから顔を上げた。艶やかに情欲を隠せない表情を見上げたプリマヴェーラは心臓のあたりが締めつけられた事に気がついた。

きっと、寒いから。

凍てつく季節のせいなのです。

そう思って身体全体に寒さとは反対の熱を注がれ、頭が真っ白になり意識が断絶した。

 

 

 

男は吐きだした白濁が少女の中からどろりと出てくる様を見て恍惚に笑った。僅かに桃色の液体が出てきた時には、男は指でそれを掬って眺めた。さすがに自分が吐きだした精液を舐めようなどという趣向は持ち合わせてはいない。

やせ細った手首に手を這わして、へこんだ腹に手のひらをあてる。

冷たい季節からこの小さな女を守るように。

「孕め、孕め・・・」

まるで魔法の呪文を唱えるように男は何度も繰り返す。

ボンゴレの血が欲しいわけではない。

ただ、孕めばこの少女は否が応でも自分に意識を向けるだろうと思ったからだ。

血の繋がった兄よりも今は劣っているのだろうという事は分かっていた。だからこそ男は声を出した事に歓喜したのだ。

「孕め、孕め。」

少女の鳴き声は脳を溶かす程に鮮烈だった。

 

 

 

本当U世の情報欲しいよ。

じゃないと連載とかできないよ。

 

U世はボス声と同じという設定にしていますが、

もしあんな声で名前(色っぽく)呼ばれたらたまらんよね。

これはアレです、プリマヴェーラはジョットを好きとかそういうんじゃないんです。普通にブラコンです。矢印は無いのです。はい。

 

無駄に長くなってすみません・・・!

 

 

 

title 泣殻