裏です。OKな方はどうぞ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 気持ちが負けてしまえばもうそれは負けたも同然だ。

相手は女だ、身体を傲慢に奪って凌辱すれば、それは男として勝利なのだろう。

だがもう俺は負けてしまった。

たとえ力づくで手に入れようとも、あの女は高らかに飛び跳ね、逃げ去るだろう。

俺に敗北を突きつけて、プライドを踏みつけて。

もう俺のプライドはずたずただ。ただ、唾をつけた女が浮気、他の男と寝たというなら此処まで傷付かなかっただろう。

その女が俺が惚れた女だからこんなに考えている。悩みに悩んでいる。

現場を見たわけではない、ホテルから出てくる場面とはち合わせたわけではない。

ただ、身体に残る俺が付けていない赤い痕が喧嘩を売るように肌の上に咲いていた。それだけだった。

 

 

 

「泣いちゃいそうな顔ですね。どうかしたんですか。」

俺からすればいけしゃあしゃあと何を言う。と言いたかった。全ての現況ですべての発端ですべての俺の罪だ。

ハルは白魚のような手で俺の頬を撫でる。

心から愛しているような手つきに、思わず眩暈がした。これが嘘っぱちだと分かっている。それでも期待してしまう俺がいる。

「誰かを殺してしまいましたか?」

ふ、と顔に息がかかった。

「それとも酷い事を言われましたか?可哀そうに・・・」

焦らすように近づいてきた唇に、辛抱堪らなくなって俺からかぶりついた。まるで待ち望んでいたかのようにそのキスを受け止めるハル。

唾液が絡まり、唇が吸いつけられる。

薄らと眼を開けると、俺が開けたのが分かったのかハルもゆっくりと瞼を開ける。

キスをしながらお互いに視線をも絡ませ合う。なんて淫靡なのだろうか。あの黒い瞳孔はまるでブラックホールのように俺の意識をすべて吸い上げるように逃がさない。

そんな風に俺を惹きつけて置きながら、コイツが見ているのは俺ではない。

光の差し込まない瞳が俺を映す。

「は・・・どうしたんですか、獄寺さん。」

嘲笑うかのような質問に、俺は更にやるせなさが湧き上がってきた。

まるで子供を慰めるように頭を撫でられる。ハルの胸に顔を埋めて腰に腕を回した。

それが合図だと簡単に理解したハルはくすり、と笑う気配を見せた。

「馬鹿ですよね。男の人って。吐きだすっていうのが全部そういう事だと思ってるんですもん。」

今言うのかと突っ込みたくなったが、図星なので完全に否定できないので余計な事は言わずにその言葉を無視する。

鎖骨を吸い上げると、赤い痕がついた。白い肌についたのを視界で確認する。まるで桜の開花を目の当たりにしたかのように、思わず俺は感嘆を吐いた。

そうすると上からまたくすくすと笑い声が聞こえる。

コイツは昔はただの少女、いや、処女臭い餓鬼だった。それが今では百戦錬磨の俺の頭を撫でながら、まるで子供を見つめる母親のような余裕が見える。

「怒らないでくださいね?痛くしちゃ、嫌いになっちゃいますから。」

そっと耳元で悪魔が爆弾を投下する。

雲の上から、神が暇つぶしの為に人間の寿命を止めるように簡単に。

言葉は眼に見えないナイフとなって、俺の心を何の躊躇も無くさし続ける。

そんな事を言われてしまえば、俺は迷う事なく優しく身体を優しく、壊れモノを扱うように愛撫する。

乳房触れる時も、中学生の青臭さを醸し出すようにおそるおそると触れる。幾度となく抱いてきたこの身体にいつ俺は飽きると気が来るのだろうか。いつ開放される時が来るのだろうか。

張りつめた性欲と愛欲をいつになったら枯渇まで追いやることが出来るのだろうか。

「ん、ふ・・・」

舌でねっとりと乳房を舐めまわし、片手ではゆっくりと揉み上げ、頂点をそっと唇を落とす。

成熟した女の身体をくねらせながら、俺の頭をずっと撫で続けている。犬じゃねえんだ。舐めて褒められて喜ぶなんて思うなよこのアホ女。

下着越しに秘部に触れると、ハルはそっと足を開いていく。

フリルのついたスカートを脱がすことなく指で下着越しにほぐしていく。簡単に濡れてきたそこは、一体誰に慣らされたのだろうか。

考えただけで胃が焼けるような熱を帯びる。

「あ、」

ハルが喘ぎ声とは違う一声を漏らした。喘ぎか言葉か、それを理解できるのは俺だけだと信じたい。

「今、何か考えましたでしょう?」

「・・・さあな。」

「ははっ・・・ごまかしても無駄ですよ?ハルは・・・女の勘からは逃げられ、ないんですから。」

「は、」

俺は軽く鼻で笑う。

「他の女だったらどうするんだ?お前は。」

今までずっと振りまわされっぱなしだった。仕事をしていてもお前の事を考えて、浮気をしているんじゃないかと危惧している日々。

そんな日常の僅かな意趣返しすら、この女は許さなかった。

「そうですね・・・じゃあ、山本さんに抱かれてるとか考えます。」

山本が特別な相手と言っているわけじゃない。とか、というのは適当という意味だと、思う。

俺に当てつけにするには一番の相手だとコイツは理解している。

「あんま調子にのんじゃ・・・・」

「じゃあもうやめます?」

ハルはいつでもやめてもいいんですよ?と、魔女はせせら笑う。ああ、本当に何時こんな悪い女になったんだこの女は。

冷たい視線だった。ただでさえこういう行為は特別視していた女だ。もしかするとそういう軽薄な男は嫌なのだろうか。だったらお前はどうなんだという話なんだが。

簡単に割り切れる奴だ。

別に此処までヤられても、イかなくても平気なのかもしれない。自分で処理するか、それとも俺じゃない他の男を呼ぶかもしれない。

妄想は自由で冒険家だ。俺の気持ちとは裏腹に、脳は色々な可能性をどんどん生み出していく。

「どうするんですか?」

「・・・ヤんに決まってんだろ・・・」

情けない声だった。はたから見れば女に抱かせてくれとせがむ男だと見えるのだろう。まあ実際そうなのだが。

「抑止力は大事ですよ?」

「るっせ。」

他の男に抱かれたいとか思ってんのか。こいつ。

下着の隙間から指を入れて直接触る。愛液が指に絡みつき卑猥な音を出す。

「ふぁ・・・」

「・・・お前はあんのかよ。抑止力。」

「ん、あ・・・」

すべてを脱がしてしまおうかと思うがやめておく。下着だけを脱がせて足を開かせる。てらてらと光る秘部に迷わず顔を寄せる。その時にハルの言葉がよみがえり、またそっと触れる。

ねっとりと舌で舐め上げると足がびくっと跳ねる。

「あぁっ」

頬を赤らめ口元を手で覆い隠す。

三浦ハルはよく計算する女なのだと思う。

そう思わないとやってられない。

こんな高飛車というか、余裕綽々の女王みたいな女だというのに、本気の快楽にはこうして殊勝な態度をとってくれる。

こういう所が、男の征服欲を擽る。今の俺はとてつもなく優越感に浸っている。

それを分かっているのか、計算しているのか天然なのかが分からない。

昔ならば、中学生の時のあの時の三浦ハルだったのなら、俺は迷わず天然なのだと思う。だがコイツはもう・・・知りすぎた。

「あ、や、ひ、いちゃ、イっちゃう・・・ぅうあ!」

身体を震わせて腰をくねらせ、背を反り返して身体を痙攣させる。女だった。

まさしく雌で女で、三浦ハルだった。

びちょびちょに濡れたその場所は慣らさなくてもすんなりと俺を受け入れられるだろう。俺や他の男にほぐされたその場所は潤っていた。

俺が枯渇を望んでいるとは夢にも思っていないかのように滴っていた。

反り立つ欲望をねじりこむ。

そういえば、優しくしてくれなくちゃ嫌いになるだのなんだの言われたが、忘れていた。

嫌われるのか、と顔から血の気が引いて行ったが、中に入った時の熱さと柔らかさに脳のリミッターが切れて俺はただの雄へとなり下がった。

ただ腰を振るだけしか考えていない、脳と身体は間を開けずに動き、命令し、動き。

「ひ、あああっ、あ、んっあ、あっそこ!」

嬌声を出す喉に噛みつき、開いた唇にかぶりつき、赤く俺を誘う舌を絡みつけ、

薄らと開いた潤んだ瞳。

その時、確かに俺を見ていた。

絶頂が近づくと三浦ハルは俺を、獄寺隼人を見る。

この瞬間が訪れると、俺は性欲なんて二の次になるほどの快楽以上の衝撃を心臓のあたりに感じる。

いつもなら性欲を吐きだすよりも高揚するのだが、いや、今もしているが今回は違う。

もう駄目だ。

今日の俺が仕事をしていた時に、コイツが廊下で雲雀と話しているのを目撃した。別にキスをしていたとかセックスしていたとかではないのだが、ただ笑いあって指を絡ませていた。

もう駄目なのだ。

俺の絶頂が近づいた。

もうこのぬるま湯には浸かってはいられない。

夢はいつか覚めなければ、いけない。

 

 

 

「お前、他の男とも寝てるだろ。」

「?」

はっきりと、三浦ハルの眼を見てそう言ってやった。俺には何の迷いも躊躇も無く、強気にそう尋ねた。それなのに三浦ハルはわけが分からないというように首をかしげる。

後処理をした後すぐに眠りに落ち、俺の決意は起きた時に揺らいだが、一度決めたなら率直に後戻りできないくらいに言葉に出してしまえばいい。

「そんな事、知ってるでしょう?」

残酷な答えだった。が、それが真実。

あまりにも簡単に言葉にして俺に現実として、形になりかけた幻をかたどった輪郭が実物であると三浦ハルが俺に知らしめた。

シーツを胸元まで引き寄せて上半身を起こす。俺と同じ態勢になって、甘えるように首に腕を絡めてくる。

「それより、獄寺さんどうしたんですか?今日はなんだかとっても悲しそうな顔してましたけど・・・」

「・・・ハル・・・」

「・・・もしかして、ハルのせいですか?・・・ハルが他の人とこういう事、するから?」

小悪魔のように首をかしげて、ケーキよりも甘ったるい声でそう尋ねる。狡さという言葉をありありと表現する声音と言葉だった。

俺はもう逃げることはしなかった。恥ならもうかきまくった。

「・・・そうだと言ったら、どうする?」

「どうする・・・って・・・酷い、ずるいですよ獄寺さん。そんなの。」

自分の言葉は棚にあげてそんな事を言う。顎を引いて上目遣いで俺をずっと見つめる。茶色の瞳は俺を惑わす、酒は飲んでも飲まれるな。女を抱いても飲まれるな。決して逸らすものか。俺はもう、

「そんなんでいいのかよ。お前。」

「その質問、獄寺さん自信に向けられたらどうですか?」

「何だと・・・?」

腕を離して膝を抱える。頬をのせて挑発的に俺を睨みつけるような凍てついた視線を俺に送る。

弧を描いた口元は全く感情が見えない。

「ハルの事好きなんでしょう?」

「―――――っ。」

「ね、そういう事です。」

くすり、と笑う。

絶句して俺は何も言えなかった。

そんな俺の頬に手を伸ばした。白魚のような綺麗な手が。無機質なマネキンのような冷たさで、

 

「だからもっと、ハルを愛してくださいよ。」

 

 

 

ビッチ小悪魔なハル。

純情なハルで書いていたのですが途中からこれはただの強姦だと気がついてチェンジ!

 

細々と設定を考えていました。とっても楽しかったけどそれを出せなかった・・・!

ハルのセフレは雲雀さんと山本とベルとボス。全部獄寺の劣等感を煽る面々・・・いや、他の人でもそうかw

 

最終的にはツナを愛した分、誰かに愛してほしいというハルの願望。

こんな小悪魔な悪い女なハルはすごくすらすらかけた・・・すげえ。黒ハルいいよ。エロい。

それでも意味不明なのは変わりないけどね。あっはっはっはっは・・・orz

 

リクエストありがとうございましたーw

 

 

 

title 泣殻