三浦ハルという女は、恐ろしく鋭い。と、思ったらとてつもなく鈍感な女だった。

それはとても興味を引かれたし、どっちつかずで力量を計り知れないと首を捻る。だが、別にどうでもいいやと思える出来事、人間だ。

そんな三浦ハルに惚れて、結婚して、

そして、どうなんだろう。

幸せ、といえるのは確かだけど。

雲雀は眉根を寄せて疼く手を押さえつける。

 

 

 

「君は無頓着だ。」

「え、何に、ですか・・・?」

腕組をして見下ろす雲雀を見上げるハルは、学校の宿題を片付けようとしていた。

無頓着、という単語は今自分が宿題をしている行為に向けられているのだろうか。もしかして、宿題よりも何かを優先して欲しいのだろうか。

「何か用事がありますか?」

「別に無いけど。」

「はぁ・・・」

むすっ、と、用事が無いくせに何か言いたそうな雲雀にそれ以上何も言えないでいるハルは、また宿題に取り掛かる。

さらさらと動くシャーペンは、ハルの頭のよさを示している。公式を応用する数学から、暗記する社会の歴史。

宿題の量が多いのは進学校だからだろうか。

「・・・・あの。」

「何。」

「・・・やっぱり何か用があるんじゃ・・・」

「別に無いってば。」

はっきりとそう告げられては、ハルもこれ以上追求する事は無い。

ハルも宿題を早く済ませてしまいたいし、用事もないと言い切った。もし本当はあったとしてもそれを言い出せない雲雀が悪いのであって、

「じゃあ、ハルは集中します。」

指先が教科書に印刷された文字をなぞって、真剣な眼差しで睨みつけるようにして読む。

軽やかにシャーペンについたキーホルダーが舞い、暴れ、音を鳴らす。

行き詰った時にそれを弄りながら考える姿は子供がぬいぐるみを弄っているようにも見えた。

勉学に勤しむのは雲雀としてはとてもいいことだ。

並盛中ではないが、並盛の地域の学力が少しでも上昇するならばそれに越した事は無い。

午前中と午後は学校に行き、部活があり、日が暮れる本の少し前にかえって来てから料理と家事。風呂から上がって、さあこれから自分の時間だという時に残っていた宿題。

本来ならば悲観するはずのそれなのだ。

真剣に取り組んでいる所に横槍を入れるのは絶対にいけないことだ。

「ふんふんふーん」

むき出しになった白い足。

「・・・あぁ、そっか、漢字が違ってました・・・」

濡れた髪をタオルで巻いて、

「えーと・・・」

むき出しの、肩と腕。

「・・・えっと・・・」

風呂上りで肌を露出されて、おいしそうにそこに座ってるのに、

「・・・何か、用・・・じゃないですね。何かあるんですか?雲雀さん・・・!」

無意識にハルの背後に回り抱きついてしまっている雲雀は、直ぐに我に帰ったが、甘い匂いをかぐと、もうどうでもいいやと眼を閉じた。

「食べたい。」

「え!?今さっき夕食食べたばっかりじゃないですか!」

「食欲じゃない方の欲だよ。」

そうは言っても目の前にある白い柔肌に、食欲ではないのについ歯を立ててしまう。

「はひ!」

ハルの手からシャーペンが転がり落ち、ちらりとノートを覗き込むと全て書き込んである。宿題は全て終わったらしい。

ならばもうこちらのものだ。

雲雀がソファーに押し倒すとハルは眼を白黒させながら雲雀を見上げる。

そしてさぁっ、と顔から血の気が引いていく音が雲雀にも聞こえた気がした。

「・・・あ、あのっ・・・?」

「君は無頓着だ。馬鹿だ、でも、とても聡明だ。」

矛盾だらけの言葉に頑張って耳を傾けるのだが、纏め上げるには時間も無い。

それでもギラギラとした瞳が語るのは、完全に三大欲求の一つ。

 

「え、や・・・ちょっと待ってください雲雀さん!・・・ハルまだしゅくだ、・・・はひ!あぁ!嫌ですまってぇ!」

 

 

 

 

ああ・・・もう、ああ・・・・

落胆、幻滅、最低、最悪。

いろいろな言葉が浮かび上がるけど、どれもしっくり来ない。

ああ、そうだ!アレがあったじゃないか!

 

全滅

 

うん。そんな感じ。という事で皆さんで私をリンチでミンチにしちゃってください。もう、何か・・・何か・・・っ! orz

小説の書き方を忘れてしまいました。

ちょっと、どうにかしないと、いけないよね。

うわあ、本当・・・うわぁ!!