「そうなのなー」

きらきらと輝いている山本の笑顔。そして誰もを引き寄せる人懐っこいその笑顔の原動力は何なんだろう。

と、思っていた。

中学生の頃、ヒーローのような山本に憧れていた。

とても優しくて、純粋で。

俺はマフィアになるから、だからそんな山本を引き込む事は無い。そんな事をしちゃ駄目だ。

野球選手になるほうが山本らしい。

そう、思っていたのに。

 

 

 

そろそろ疲れてきたなと肩を揉んで首を動かす。マフィアのボスって基本デスクワークだから結構疲れる。

俺の秘書のハルはそんな俺にマッサージしましょうか?という申し出をやんわりと断った。

いや、本当は肩は石のように硬いけど、もう痛いほどに凝っているけど。此処で断っておかなくちゃいけない。

「でも、ツナさんつらそうですよ・・・?」

「大丈夫だって。後でマッサージしてもらいに行くつもりだからさ。」

「そうですね・・・ハルなんかのマッサージで凝りが直っちゃったら勿体無いですよね・・・」

少し苦笑したハルの顔を見て、あぁ、と罪悪感がちくちく。

恐怖心からの拒絶は、君の彼氏のせいなんだよ。なんて、いえない。

こんこんとノックする音が聞こえ、どうぞと言うと噂をすればというか考え事してただけなんだけど。

「よっ。」

「山本さん!」

ハルがぱああ、と、花が咲いたかのような笑顔で山本を出迎える。

山本もにっこりと笑って俺に報告書を提出してきた。

「ありがとう。」

「いやー。結構てこずっちまってな。」

「そう・・・でもちゃんと完璧に出来た?」

「おお、もちろん。」

「嘘つけ。俺が手伝わなかったら一行で終わってただろーが!」

遅れてやってきた獄寺君がそういい、綺麗な字で手書きで書かれている報告書を山本を押しのけて俺に差し出した。

このまとめられ文章の中に、ムダに自分の事をよく書いているのが特徴だ。

うん。そっか。一撃でしとめたんだ。

「二人共お疲れ様。」

「いえ!全然へっちゃらでしたよ!」

「んー・・・ちょっと肩凝っちまったかな・・・」

首をごき、と鳴らす山本に、今マッサージを断られたハルが挙手して立候補した。

「あ・・・じゃあ、ハルマッサージしますよ!」

「お、サンキュー!」

そういって二人は出て行き、山本の背中が見えなくなり、気配が完璧に無くなった瞬間に俺と獄寺君は溜息を吐き出した。

少し疲弊した獄寺君と視線がかち合った。

「・・・山本、聞き耳たててなかった・・・?」

「・・・はい・・・ずーっとそこで突っ立って会話聞いてました・・・」

「あぁ、やっぱり・・・」

何となく、マッサージの話題が出たあたりから殺気みたいなのが痛かったからなぁ。

ドア付近から漂うあのドス黒いオーラは、俺の超直感で何となく分かっていたけど。

「黒くなっちゃったなぁ・・・山本・・・」

「任務中に狂ったようにハルハルハルハル言ってました・・・」

「それは、怖いね・・・・」

そして開けっ放しのドアを見て、心の中で敬礼しよう。

かわいそう。と、同情するべきなのだろうか分からないけど。

 

 

 

山ハルは難しい・・・書きにくい・・・!

頑張らなきゃなぁ・・・