久々にジャッポーネに来たから、前、手下にしたあの変な女を捜して屋根の上を跳ねて移動していた。

一旦止まって電柱の上から見渡していると、あのポニーテールが跳ねながら歩いているのが見えた。

ニヤリと笑って、電柱の真上から飛び降りて音も無く背中に近づく。

ナイフをすっとポケットから取り出し、鼻唄を歌いながら歩いている女を威そうとしたら。

背中に殺気。

振り返ると不機嫌そうなあのエース君が其処にいた。

「・・・何してるの」

「そっちこそ、何やってんのー」

「はひ?」

この会話で気が付いたらしい女は振りかえった。俺の顔を見るや否や顔を真っ青にしていたが、その後ろに居るエース君を見るとぱぁっ。と花を散らせて駆け寄った。

王子の横を素通りしやがった。

「雲雀さんっ」

「ハル、ちょっと下がってて。」

トンファーを持った手で背中に追いやるその姿に、ぴーんときちゃったんだって、王子だから。

「はっはーん、何、お前そいつと付き合っちゃってたりしてんの?」

「それが何。君は関係ないでしょ。」

「そうだけどさー・・・っへぇー。ボンゴレのエースがそんな女・・・・趣味悪ぃー」

「だから、君には関係ないでしょ。」

「って、ハルを貶されてもそのまま受け流すんですか!」

「当たり前の事だからどう言い返せばいいの。」

「言い返してください!自分のプライドの為に!」

「君のプライドは無いんだ。」

眼の前で繰り広げられるその光景にだんだんと苛ついてきた。つーか手下が居れば何でもいいんだけど。

引くに引けなくなった場面に、ナイフを持つ手を強める。

「なぁ。エース君。此処でやっちゃってもいいんだけどさ。その手下巻き込まれるぜ?」

「・・・手下って何」

「そいつはずーーーっと前に俺の手下になったんだっつーの」

「はひ、誰が手下なんかになるもんですか!」

「手下って何。何されたの君。」

「え・・・ナイフ突きつけられて、案内されただけですけど。」

「何処に」

「おすし屋さんです!」

「・・・・・・・・」

「違ぇーし。何、その眼は。」

「君殺し屋じゃなかったっけ?」

「殺し屋の所につれてけっつったらこの馬鹿すし屋につれて行きやがったんだよ。」

「・・・・・・・・」

「はひ、何ですかその眼は!」

「殺し屋なのにどうして寿司なの」

「え、だってあの人見習いさんなんでしょう?ちょっとデンジャラスな匂いがしますが・・・」

そう言ってさらにエース君の服を掴んで俺から隠れる。手元のナイフを凝視しながら。

うしし、と笑ってナイフを何十本も出してずらり、と見せてやると固まってこっちを見ている。

「・・・・・あなた・・・マジシャンだったんですか!?」

「・・・・は?」

予想外の反応につい声を出してしまった。頬を興奮で紅潮させながら、瞳をきらきらと輝かせている。

「すっごいです!ワンダフルです!」

「ハル、病院に行って。」

エース君がそう促してしっしと手振ってあの変な女をどかしていた。

「って、おいおい。そいつは王子が手下にしようと思ってわざわざ探してたんだっつーの」

「だから?」

「渡せよ。」

「やだよ。」

その瞬間にエース君の身体が前に倒れてこっちに来たから、なんつーか、喧嘩売られたし。

俺もナイフを投げて応戦。

手下がはひー。とかなんか叫んだりしてるけど、関係なしに暴れる。

電線が切れたり家が破損したりとか。電柱が倒れて手下を下敷きにしそうになったけど、エース君が助けに行ったり。

マジで馬鹿みてー。

雲の守護者は孤高だっつーのに。そんなお荷物持ってどーすんの。

まぁ、あのモスカよりかはいいか。話しなかったんだもんなぁ、アイツ。

しばらく戦って、ボスからの連絡音が聞こえてきたから後ろにとんだ。

うわぁ。まだかばってるし。

背中に追いやってこっち睨んで来てる。こっそりと携帯を見てディスプレイを見る。

帰って来いって書いてある。

空を見ると薄く橙になっていて。折角のジャッポーネが潰れちまったと舌打ちした。

でもおもしれーもん見れたし、いいか。

「エース君。俺帰らなきゃなんねーから。」

「何それ。あの時見たいに逃げるの?」

「ちげーし。」

またトンファーを構えだしたエース君を見て口の中で舌打ち。

時間食うとボスマジギレするからなぁ・・・

「はひ、駄目ですよ雲雀さんっ!」

手下が後ろから腕を絡みとって止めている。

アレって何してんの。俺をかばってたりする?

分けの分からない行動に首をかしげる。

「これ以上したら並盛が壊れちゃいます!それに、お互い怪我しちゃ駄目です!いい事なしですからっ」

「・・・・・・・・。」

その言葉にエース君が回りを見ると、半壊した建物とか電柱とかその他いろいろ。一通り回りを見渡してまた手下に視線を合わせる。

「後で風紀委員に直させるからいい」

「そんなので喧嘩してもいい、なんて理由にはなりませんから!あの人だって門限があるようですし、今回は引き分けで・・・・それじゃあ!」

「ちょっと、」

ぐいぐいと引っ張って早く此処から立ち去ろうとしている。エース君は俺を数秒睨んであの手下に引っ張られるまま行った。

正直これ以上時間が延びなくてラッキーだったけど。

「門限って何なんだっつーの。」

王子が門限ってかっこ悪っ

烏の鳴き声が聞こえてきて、さっきよりも橙が濃くなってきた空を見上げて足を動かす。

またこっち来たらアイツ等殺してやる。

あの女には、門限って言葉取り消させてやる。

あと、マジシャンと寿司の件も。

 

 

 

 

わっけわっかめぇーーーー

もうね、何なんだろうね。せっかくのフリリクだというのに。

ハルが出てないぃ!甘くないー!

グダグダぁ!

・・・・これは、ドライアイの呪いよ。決して私のせいじゃないのよ。

リクエスト本当にありがとうございます・・・でも、こんなんですみません・・・・orz