「あんたってさ、宇宙人なのよね。」
「今更だな。」
「じゃあ外国人よりも遠い所に居るわけで、しかも地球なんて眼中なかったのよね。」
「だからなんだ。」
ぴったりと広いソファーの端でくっついている二人がテレビを凝視しながら会話を続ける。
ドラマをしているようで、名前もジャンルも分からないがつけたらしていたので見ている。主人公らしき男の子が、学校で授業に勤しんでいる場面だ。
「なんで私達言葉通じてんのかしら。」
立ち上がり、英語の教科書を持ち、拙い英語で朗読している様子を見ながらブルマは小首を傾げた。
「同じ言語を使っているからだろう。」
「いや、そうじゃなくてさ、アンタって孫君と普通に会話してたでしょう?アレって地球語よね。もしかして、此処に来るまでに地球の言葉勉強してたの?やだ、なんかそう考えると可愛いじゃないの。」
「一人で勝手に結論付けてんじゃねえ!」
にこにことベジータの頭を撫でる手を払いのけ、眉間に皺を寄せる。またしてると思いながら眉間の溝に指を這わせた。
「怒んなーい怒んない。そんなんじゃ高血圧になっちゃうわ。」
「貴様のせいだろう。」
「責任転換しないでよ。・・・あれ?そういえば何の話してたんだっけ?」
「言語の事だ。」
「あー、そうそう。で、あの丸い中で教科書を読んだりノートに書いたり発音を頑張ったりとか・・・ぷくくっ!」
「二度も同じ事を繰り返す意味はあるのか。」
「やーね、アンタも乗って来てよ。私一人馬鹿みたいじゃない。」
テレビの画面は変わり
「・・・ねえ、そう言えば私達ってデートってしたかしら?」
「・・・・・」
「逃げる気?」
嫌な予感がしたベジータが立ち上がったが、ブルマが腕をがっしりと掴み、ドスの利いた声で睨みあげた。
「誰が、」
「いいから座りなさいよ。そうよ私デートしてないじゃない。なんでこんな事に気がつかなかったのかしら・・・!よし、明日デートよ!絶対しましょう!」
「な・・・!?」
「結婚式もプロポーズもプレゼントも愛の言葉もなーんにも無いじゃない!せめてデートくらい我慢しなさいよ。」
「ふざけるな!誰がそんな事、」
「何処がいいかしら。うーん。とりあえず最後のディナーはバイキングにしとくわ。」
「・・・・・」
「無理よ逃げ出そうとしても、トランクスにアンタの居場所に連れてってもらうんだから。」
「・・・・・」
「ちょっとベジータ、トランクスを睨みつけるのやめなさい。往生際が悪いわよ。」
「くだらん。」
「何ですって・・・!?」
そこからまた口論へ突入した二人から少し離れたトランクスはカプセルコーポレーションから抜け出し、友人の悟天の家へと逃げた。
とりあえずベジブルってどんなのかなと思ったらこうなった。
恐ろしい程に難しい。